間違った塗装 (ペンキ、ニス)
ウッドデッキにペンキ、ニスなどを塗装することは避けて下さい。
ペンキ、ニスなどは、素材表面に塗膜(薄いプラスチック膜)を張ることで外気から保護しようとするものです。金属などには有効な塗料ですが、これを屋外で木材に使うと二つの大きな問題があります。
木が呼吸できない
木材はまわりの湿度にあわせて吸湿、放湿性質があります。木造建築が人に優しい理由のひとつはこの湿度調節性質によるものです。しかし、塗膜で覆ってしまうと呼吸が妨げられます。その結果、木の細胞間に蓄えられた水分は腐敗し、木は弱り、耐久性が落ちていきます。
塗膜にひび割れが出来る
木材は湿度にあわせて膨張、収縮を繰り返します。固い塗膜はこの動きに追随できず、1〜2年もたつと塗膜にひび割れが出来てきます。ひび割れから入った雨水は塗膜に覆われてなかなか乾きません。結果的に塗膜の下は湿気がこもり、逆に腐朽菌の温床になりますし、うろこ状にはげた塗料は大変みにくいものです。
さらに、ペンキ、ニスなどは再塗装の際に、もとの塗膜を綺麗に剥ぎ取る必要があります。そうしないと再塗装しても古い塗膜が剥げ落ちるので新しい塗膜も一緒にはげてしまいます。このもとの塗膜を綺麗に除去する作業は、新たに塗る作業よりずっと大変で、DIYではかなり困難かと思います。
木材は膨張収縮するため、塗料メーカーにとっても一番厄介な素材のひとつです。まだ完璧な塗膜タイプの屋外木材用塗料(伸縮し、水蒸気は通すが、水滴は通さない)は出来ていないはずです。
この二つの問題を避けるには、木の繊維間に入り込み、内側から水をはじく浸透性オイルステインしかありません。
ニスやペンキに比べて光沢には欠け、また塗膜がないため磨耗に弱い欠点がありますが、大切なウッドデッキを長く保護し、みにくい塗料のひび割れを避けるため、光沢には眼をつぶって下さい。